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多焦点眼内レンズで後悔しないために~単焦点との違い・費用・種類を解説

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白内障手術で使用する眼内レンズには「単焦点」と「多焦点」の大きく2種類があります。
近年は「眼鏡から解放されたい」という思いから多焦点眼内レンズを選ぶ方も増えています。


しかし実際には

「多焦点レンズにして後悔した」

という声もSNS上では散見されており、レンズ選択には適切な情報収集が不可欠となります。


この記事では、眼科専門医が「多焦点レンズで後悔する理由」と「後悔しないための選び方」について、
単焦点との比較・費用・体験談を交えながら詳しく解説します。






目次


1. 多焦点眼内レンズとは?特徴と仕組み


白内障手術では濁った水晶体を取り除き、人工の眼内レンズを挿入します。
多焦点眼内レンズは遠方・中間・近方など複数の距離に焦点を合わせられるように設計されており、
眼鏡の使用頻度を減らせるのが特徴です。


ただし万能ではなく、光を分散させることで鮮明さが落ちたり、夜間にライトがにじんで見える「ハロー・グレア」が出る場合があります。


2. 多焦点レンズで後悔しやすい理由|見え方・生活での違和感


裸眼で生活できると思ったが、細かい作業では眼鏡が必要だった
夜間の光がまぶしく感じる(ハロー・グレア現象)
コントラストが弱く、鮮明さに欠けると感じた
「老眼鏡が完全に不要」と誤解していた
適応外の目の状態だったのに選んでしまった


これらは事前の説明不足や、患者様がメリットだけを期待してしまうことが原因で起こるケースが多いです。


3. 後悔しないために必ず知っておくべき注意点とリスク


眼鏡が完全に不要になるわけではない
光のにじみやまぶしさが出る可能性がある
慣れるまで数週間〜数か月かかる場合がある
細かい作業や暗い場所では眼鏡が必要な場合もある

4. 単焦点レンズと多焦点レンズの違い|どちらを選ぶべきか?



単焦点レンズは「遠く」か「近く」のどちらかに焦点を合わせるシンプルなレンズです。
見え方は非常にクリアですが、眼鏡が必要な場面があります。



多焦点レンズは利便性が高いものの、見え方の質にクセがあり、光のにじみなどが気になる場合があります。



必ずしも多焦点が優位というわけではなく、例えば「裸眼で近くを見ることを重視する方」には単焦点の方が適しているケースもあります。
患者様一人ひとりに合った度数合わせ、レンズの種類を決めることが、手術において最も大切です。



5. 多焦点レンズの種類(2焦点・3焦点・EDOF)と特徴


2焦点レンズ:
遠方と近方に焦点が合う。中間距離は弱め。
3焦点レンズ: 遠方・中間・近方のすべてに対応。利便性が高いが光のにじみが出やすい。
EDOFレンズ: 焦点を「連続的に」広げる設計で、自然な見え方が得られるが老眼鏡が必要な場面もある。

6. 多焦点レンズの費用と保険適用の有無について


多焦点レンズは選定療養または自由診療で、片眼30〜60万円程度が相場です。
健康保険は適用されませんが、選定療養に指定される場合は医療保険から給付を受けられることがあります。


「高いから良い」ではなく、費用と見え方のバランスを考えることが重要です。

7. 術後の生活イメージ|運転・読書・パソコン作業


運転:
昼間は快適だが、夜間のライトがにじむと感じる場合がある
読書: 長時間の小さい文字には老眼鏡が必要なこともある
パソコン: 中間距離が得意なレンズを選べば快適に作業できる

8. 体験談:多焦点と単焦点での見え方の違い


ある患者様は「多焦点にして日常生活はとても便利になったが、夜のドライブではライトが気になる」と話されました。
一方で、別の患者様は「近くの作業を重視して単焦点を選び、眼鏡を使い分けているが後悔はない」とおっしゃいます。


このように「どちらが良いか」は一律には言えず、生活スタイルによって満足度が大きく変わります。


9. 当院でのレンズ選定とカウンセリングの流れ


視力、眼圧検査から、疑いのある疾患に応じた視野・眼底精密検査
ライフスタイルやレンズ、手術日希望のヒアリング
単焦点・多焦点のメリットとリスクを説明し、ヒアリング・検査データをふまえてご自身に合ったレンズのご提案
豊富な手術経験をもとに最適な処置、スケジュール管理

10. よくある質問(Q&A)|多焦点レンズでよく寄せられる疑問


Q1. 夜間の運転は大丈夫ですか?

A. 光のにじみを感じる方もいますが、慣れとともに改善するケースも多いです。

Q2. 慣れるまでどのくらいかかりますか?
A. 個人差はありますが、数週間〜数か月で慣れる方が多いです。

Q3. レンズを交換することはできますか?
A. 可能ですが再手術となりリスクがあるため、慎重な判断が必要です。

Q4. 老眼鏡は完全に不要になりますか?
A. その人の合わせる距離によりますが、完全に不要になるわけではなく、読書や暗所では眼鏡が必要なこともあります。

Q5. 費用はどのくらいかかりますか?
A. 選定療養対象のレンズであれば片眼30万円程度、完全な自由診療にあたるレンズは片眼60万円程度となります。

Q6. 緑内障や網膜疾患がある場合でも可能ですか?
A. 適応は限られるため、事前の精密検査が不可欠です。

11. まとめ|多焦点レンズで後悔しないために大切なこと


多焦点レンズは眼鏡依存を減らせる魅力的な選択肢ですが、すべての人にとってベストではありません。
後悔しないためには、単焦点との違いやデメリットを理解し、自分の生活スタイルに合った選択をすることが重要です。


あおぞらクリニック眼科形成外科では、患者様一人ひとりに寄り添い、最適なレンズ選びをサポートしています。
白内障手術をご検討中の方は、ぜひ一度ご相談ください。

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