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~光視症~「光が一瞬見えるのは大丈夫?見え方の特徴と疾患・受診の目安」

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「視界の端で一瞬、光が走った」「暗いところでチカッと光る感じがある」
そんな症状に心当たりはありませんか?


このような見え方は「光視症(こうししょう)」と呼ばれる症状の可能性があります。
特に、夜間や薄暗い場所で一瞬光が走って見える場合は注意が必要です。


この記事では、光視症の原因や見え方の特徴、放置してはいけない理由、そして「飛蚊症」との違いについても詳しく解説します。


目次




1. 光視症とは?


光視症とは、実際には光がないのに「ピカッ」「チカッ」と光を感じる症状のことです。
多くは硝子体(しょうしたい)と網膜の接触や牽引によって起こります。


年齢とともに硝子体が収縮し、網膜を引っ張ることで刺激が加わり、脳が「光を感じた」と誤認することで発生します。



2. 一瞬の光の見え方の特徴

  • 視界の端で一瞬ピカッと光る
  • 暗い部屋や夜に光を感じやすい
  • 目を動かしたときや瞬きをした瞬間に光る
  • 光がチカチカ続くこともある



これらの見え方は、片眼だけに起きる場合が多く、一瞬だからといって安心できないのが光視症の特徴です。


3. 光視症の主な原因


光視症を引き起こす原因には以下のようなものがあります。

  • 後部硝子体剥離(PVD):加齢で硝子体が縮み、網膜を引っ張る。
  • 網膜裂孔・網膜剥離:牽引によって網膜に穴が空き、視力低下を伴う危険な状態。
  • 強度近視:網膜が薄いため、牽引による裂孔が起こりやすい。
  • 眼外傷や手術後:外的刺激で硝子体が変化し光視症を感じることがある。


💡 ポイント:
光視症は一時的でも、網膜裂孔の初期症状である可能性があります。早期受診が非常に重要です。



4. 放置するとどうなる?


光視症を放置すると、網膜に裂け目(裂孔)が生じ、それが進行して網膜剥離に至ることがあります。
網膜剥離になると視力低下や失明につながる危険性もあるため、症状が出たら早めの検査が大切です。






5. 光視症と飛蚊症の違い


光視症と混同されやすいのが飛蚊症(ひぶんしょう)です。どちらも硝子体の変化で起こりますが、見え方と危険度が異なります。


項目 光視症 飛蚊症
見え方 暗いところで一瞬ピカッと光る 黒い点や糸くずのような影が動く
原因 網膜の牽引・刺激 硝子体の濁り・収縮または網膜剥離などによる出血
危険性 網膜裂孔・網膜剥離のサインの可能性 加齢性で問題ないことも多いが、急増時は要注意



光視症と飛蚊症が同時に現れる場合は、特に網膜剥離の初期症状である可能性があり、もし網膜剥離が起こっている場合は緊急性があります。
「光と黒い影が同時に出る」ようなら、すぐに眼科を受診されることをお勧めします。


ほかに似た症状として、光が一瞬ではなく10~20分など時間がかかったり、その周辺が見えなくなる症状として閃輝暗点といったものも挙げられます。

この症状は片頭痛を併発しやすく、片頭痛持ちの方に見られることが多い症状のひとつです。この場合、眼科検査はもちろん大切ですが、同時に脳の異常がないかを精査しておくことも検討されることをお勧めします。


6. 検査方法


光視症の原因を特定するためには、以下のような精密検査を行います。
また、ご来院の際には瞳孔を開いて目の奥を詳しく調べるため、5~6時間程度まぶしくぼやける状態が続きます。お車や自転車でのご来院はお控えください。

  • 散瞳下での眼底検査(網膜裂孔の有無を確認)
  • 広角眼底カメラによる広範囲の撮影
  • OCT(光干渉断層計)による網膜断層解析



7. 治療法と対応


軽度の後部硝子体剥離による光視症では、経過観察となることが多いですが、
網膜裂孔が確認された場合はレーザー光凝固術によって進行を防ぐことができます。


また、強度近視の方は網膜が薄くリスクが高いため、定期的な眼底チェックが推奨されます。


8. まとめ


光視症は一瞬の光のように感じても、網膜裂孔や網膜剥離の初期サインである場合があります。
特に飛蚊症を伴う場合はすぐに眼科を受診しましょう。


当院では広角眼底検査を導入し、見落としのない診断を行っています。


「一瞬見えた光が気になる」「最近影が見える」と感じたら、お早めにご相談ください。


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