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多焦点眼内レンズ Intensity(インテンシティ)とは?特徴・費用・選び方を徹底解説

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白内障手術で使用する眼内レンズは、近年大きく進化しています。
従来の単焦点・二焦点・三焦点に加えて、5焦点型の多焦点眼内レンズ「Intensity(インテンシティ)」が登場し、レンズ選択の幅は大きく広がっています。


「できるだけ眼鏡を使わずに生活したい」「遠くも近くも自然に見えるレンズを探している」
こうした患者様にとって注目されている選択肢です。


本記事では、インテンシティの仕組み、メリット・デメリット、費用や他の多焦点レンズとの違いまで徹底解説します。





目次



1. Intensityとは?5焦点構造の特徴


Intensity(インテンシティ)
は、イスラエルのHanita Lenses社が開発した最新の回折型多焦点眼内レンズです。


従来の「遠方・近方」や「遠方・中間・近方」に加え、
「遠中」「中近」の焦点もカバーすることで、合計5つの距離でピントが合いやすい設計となっています。


また、光損失を最小限(約6.5%)に抑える特殊設計で、
暗い場所でも明るさを維持しやすいのが大きな特徴です。


よく眼科で用いられる用語に置き換えると、コントラスト感度の低下やハローグレアに強いレンズと言えます。





💡 ポイント: 日常生活で多い「中間距離(50〜70cm)」や「近中距離(40〜50cm)」をカバーできる点が、他のレンズにはない強みです。



2. Intensityのメリット

  • 遠方から近方まで幅広い距離で裸眼視が可能
  • 光効率が高く、明るさを維持しやすい
  • ハロー・グレア(光のにじみ)が比較的少ない設計
  • パソコン作業やスマホ利用に強い
  • 読書・料理・運転など幅広い生活シーンで快適



3. デメリット・注意点

  • 30cm以下のごく近距離は見えにくい場合がある
  • 強度近視の方(長眼軸)はレンズ制作範囲外になってしまう可能性あり
  • 眼底疾患や緑内障がある方は適応外の可能性あり
  • 保険適応外のため、費用が高額になりやすい


注意: Intensityは有能ですが万能ではありません。「読書中心なのか、夜間運転が多いのか」など、生活スタイルに合わせて選ぶ必要があります。



4. 他レンズとの比較


・二焦点:
遠方と近方がハッキリ見える。中間距離が弱い。
・三焦点(PanOptixなど): 遠・中・近をカバーするが、コントラストやハローグレアが懸念点。
・EDOF: 焦点の幅を広げて自然な見え方が得られるが近方は回折型レンズと比較すると弱い。
・Intensity: 遠・遠中・中・近中・近までをカバーし、裸眼で使える距離がさらに広がる。


👉  単焦点と多焦点の違い
👉  パンオプティクスの特徴と比較


5. 適応条件と患者層


Intensityは次のような方に適しています。

  • スマホやパソコンを日常的に長時間使う方
  • 料理・裁縫・読書など中間〜近方を重視する方
  • 車の運転が多い環境だが、多焦点レンズを検討されている方


一方で、夜間運転が多い方や眼底疾患がある方には適さない場合があります。
適応は精密検査と医師の判断で決定されます。


6. 費用と保険制度について


Intensityは自由診療として扱われます。


レンズ価格は片眼67〜70万円と、他レンズと比べ高額なレンズです。
高性能な反面負担も大きいため、多焦点レンズを検討しているがそこまで負担をしたくない、という方は選定療養の多焦点レンズがおすすめです。



7. 後悔しないためのチェックリスト

  • 夜間運転をする機会が多いか
  • 30cm以下の読書や細かい作業を重視するか
  • 眼鏡を全く使わない生活を望むのか、一部使用を許容できるか
  • 費用と得られる利便性のバランスを理解しているか


8. 当院での検査とカウンセリング


当院では以下の流れでご案内します。

1.視力・角膜形状・眼底を含む精密検査
2.生活スタイルや希望を丁寧にヒアリング
3.Intensityを含む複数の多焦点レンズを比較説明
4.乱視矯正の必要があれば、トーリックの適応を検査結果からご案内


患者様が安心して選択できるよう、十分な説明とサポート体制を整えています。


9. よくある質問(Q&A)

Q1. Intensityにすれば眼鏡は完全に不要ですか?
A. 多くの距離で裸眼生活が可能ですが、30cm以下のごく近距離や暗所では眼鏡が必要な場合もあります。

Q2. 夜間の運転は大丈夫ですか?
A. ハロー・グレアは少ない設計ですが、全くゼロではありません。運転が多い方は事前にご相談ください。

Q3. 費用はどのくらいですか?
A. 片眼67~70万円程度が目安です。保険適応外のレンズとなります。

Q4. トーリックタイプは選べますか?
A. 乱視がある場合、検査員と医師が検査結果を踏まえてトーリックを案内します。患者様の自己判断ではなく、最適なものをご提案します。

Q5. 他のレンズからIntensityに交換できますか?
A. 技術的には可能ですが再手術となりリスクを伴います。初回での選択が重要です。



10. まとめ


Intensity(インテンシティ)は、遠方から近方まで幅広くカバーできる5焦点型多焦点眼内レンズです。
「できるだけ眼鏡を使わずに生活したい」「中間距離も快適にしたい」という方に有力な選択肢となります。


ただし、費用面や単焦点と比較した際の夜間の光の見え方には注意が必要です。


当院では精密検査と丁寧なカウンセリングにより、患者様に最適なレンズをご提案しています。
白内障手術や多焦点レンズをご検討の方は、ぜひご相談ください。

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