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ICL・IPCLとレーシックの比較|老眼・年齢制限を考慮した選び方

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視力矯正手術を検討している方にとって、「ICL」「IPCL」「レーシック」のどれが自分に合うのか、老眼の有無年齢制限は重要な判断材料です。

 

特に40歳前後になると老眼が始まり、将来的には白内障のリスクも高まるため、手術方法の選び方が将来の見え方を大きく左右します。

 

当院では、角膜を削らないICL / IPCLを採用し、単焦点レンズによる高品質な見え方と長期的な安定性を重視した治療を行っています。

 

「レーシックで十分?」「ICLのメリットとデメリットは?」「老眼があっても大丈夫?」
こうした疑問にお答えし、あなたにとって最適な視力矯正法を解説します。





1. 視力矯正手術を選ぶときに知っておきたいこと

 



視力矯正手術にはさまざまな方法がありますが、大きく分けると「角膜を削るタイプ」「削らずに眼内にレンズを入れるタイプ」があります。


角膜を削るレーシックは、術後すぐに良好な視力が得られる手軽さが魅力ですが、強度近視の方や角膜が薄い方、老眼や将来の白内障を考える世代には必ずしも最適とは限りません



一方、近年注目されているICL(眼内コンタクトレンズ)やIPCLは、角膜を削らずに行えるため、見え方の質が高く、将来の治療選択肢を残せる点が大きなメリットです。


ただし、「じゃあ遠くが見えるならいつでもやったほうがいいじゃん」


というわけでもなく、遠くがしっかり見えるようになったことで生じるデメリット・リスクをキチンと把握したうえでの選択が重要になります。



40歳前後から始まる老眼
や、今後避けて通れない白内障手術を視野に入れた場合、どの手術を選ぶかは一時的な視力回復だけでなく、「長く快適に見える目」を守る選択をするうえでご自身で理解し、選択することが大切です

 

 

 

 

2. レーシックの特徴と年齢制限

 

レーシックは角膜を削り、屈折異常を矯正する手術です。


・適応年齢:
18歳以上、40代前半までが推奨
・理由:40代以降は角膜形状の安定性が低下し、老眼の進行による近方視力の低下が課題になるため
・メリット:手術時間が短い、比較的安価
・デメリット:角膜を削るため不可逆/強度近視や角膜が薄い方は適応外

 

 

3. ICL(眼内コンタクトレンズ)とIPCLの特徴



3-1. ICLとは

ICLは、角膜を削らずに眼内に小さなレンズを挿入して視力を矯正する方法です。


・適応年齢:20歳以上~40代
・対応:強度近視・乱視にも対応
・可逆性:将来的に白内障手術時にレンズを取り外すことが可能




3-2. IPCLとは

IPCLはICLと同じ「眼内コンタクトレンズ」の一種で、以下の特徴があります。

・適応年齢:20歳以上、4.50歳以上でも対応可能(多焦点レンズを含む)
・乱視矯正範囲が広い
・レンズのサイズも微調整可能で、より安全・安定性が高い



【当院が多焦点タイプを採用しない理由】



IPCLには多焦点レンズがありますが、当院では多焦点を採用しない方針をとっております。理由は以下の通りです。


多焦点ICLは「遠近両方が見える」魅力がある一方で、目に入る光を分散するという構造上見え方の質が低下しやすい(ハロー・グレアなど)
老眼・白内障の進行により、レンズ寿命が短くなる可能性がある


長期的な視機能の安定性を重視し、当院では単焦点タイプのICL・IPCLを採用しています

 

 

4. 老眼と発症年齢



老眼(老視)は40歳前後で始まり、45歳頃に自覚が強くなることが多いとされています。

40歳:約50%が症状を自覚
45歳:約80%
50歳以上:ほぼ全員に症状あり

(参考:日本眼科学会などの解説に基づく一般的傾向)



40歳前後でICLを検討される方へ



ICLやIPCLは遠方視力の矯正に優れていますが、老眼による近方視力低下は防げません。そのため、手術後も近くを見る作業では老眼鏡を併用する場合があります。当院では「遠くは快適に見えるよう矯正し、近方は必要に応じて老眼鏡を使う」という無理のないプランをご提案しています。

 

 

5. ICL・IPCLとレーシックの比較




主要項目の比較
項目 ICL / IPCL(単焦点) レーシック
年齢制限 20歳〜40代推奨(当院方針) 18歳〜40代前半まで
強度近視 ◎ 対応 △ 不向き
老眼世代 ◎ 将来の治療選択肢を残せる △ 老眼進行で不満が出やすい
可逆性 ◎ 取り外し可能 × 不可逆
見え方の質 ◎ 高コントラスト視力 △ 夜間視力低下の可能性
長期安定性 ◎ 角膜形状に依存しない △ 加齢で角膜変化




6. よくあるご質問(Q&A)

Q1. ICLとIPCLの違いは何ですか?どちらが自分に向いていますか?

どちらも角膜を削らずに視力を矯正する眼内コンタクトレンズです。IPCLは乱視矯正やレンズの大きさの選択肢が広いのが特長です。当院では長期安定性を重視し単焦点タイプを基本に、角膜形状・度数・瞳孔径・生活スタイルまで評価する適応検査で最適解をご提案します。

Q2. 40歳前後ですが、ICLをしても近くは見えにくいままですか?

ICLは遠方視力の改善に優れますが、老眼による近方視力低下は防げません。そのため近距離作業では老眼鏡の併用が必要になることがあります。度数設定や片眼微調整(モノビジョン)なども検討します。

Q3. 多焦点ICLは扱っていますか?

当院では多焦点ICLは取り扱っていません。理由は、見え方の質が低下しやすい(ハロー・グレア等)老眼・白内障の進行でレンズ寿命が短くなる可能性があるためです。

Q4. 検査前のコンタクトレンズはどのくらい外す必要がありますか?

ソフトコンタクトは1週間以上ハードコンタクトは3週間以上外した状態で受診してください。角膜形状を元に戻し、正確な測定を行うためです。

Q5. 手術時間と回復の目安は?仕事や運転はいつから可能ですか?

術中は片眼あたり概ね数十分です。多くの方が翌日以降に見え方の改善を実感します。デスクワークは数日で再開可能なことが多く、運転再開は医師の確認後にお願いします(夜間のハロー・グレアに慣れるまで注意)。

Q6. ドライアイやアレルギーがあっても手術できますか?

ICL/IPCLは角膜を削らないため、ドライアイ素因がある方でもレーシックより有利なケースがあります。ただし炎症や角膜疾患がある場合は先に治療が必要です。検査で総合判断します。

Q7. 強度近視や乱視が強くても大丈夫ですか?

強度近視・乱視とも適応可能な範囲が広いのがICL/IPCLの特長です。度数や眼内スペース(前房深度)などを計測し、安全域を満たすかを確認します。

Q8. 将来、白内障手術は問題なく受けられますか?

はい。ICL/IPCLは取り外しが可能で、将来の白内障手術に移行できます。可逆性がある点は大きなメリットです。

Q9. 妊娠・授乳中でも手術は受けられますか?

妊娠中・授乳中はホルモンの影響で度数が変動しやすく、原則として時期をずらすことを推奨します。安全を最優先に個別判断します。

Q10. MRIや空港検査に影響はありますか?

ICL/IPCLは一般的にMRIや空港保安検査に影響しません。素材や規格は医療用として適合しています。個別の注意点は術前に説明します。

 

7. 適応検査をご希望の方へ



ICL・IPCLは精密な適応判定が必要です。ご予約の際は、以下の点にご注意ください。

 

  • ソフトコンタクトレンズ:検査前1週間以上装用を中止
  • ハードコンタクトレンズ:検査前3週間以上装用を中止

    理由:角膜形状を正確に測定するため(形状が戻らないと度数や角膜厚の評価に誤差が出ます)

 

また、適応検査の過程で特定の眼疾患が確認された場合は角膜形状や屈折が適応でも手術を受けられないと判断する場合がございます。
もし疾患が発見されても当院にてフォロー可能ですので、お気軽にご相談ください。

 


当院では、角膜の厚みや形状・水晶体の透明度・老眼の有無まで総合的に評価し、「今・これから」に最も適した視力矯正法をご提案します。
とくに40歳前後でICLを検討される方には、遠方視力は快適に確保しつつ、近方は老眼鏡併用など現実的なプランを一緒に設計します。

 

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