「ICLは興味があるけれど、自分は本当に手術できるのかな?」
「検査で『ICLは難しいかもしれません』と言われて、不安になった…」
こうしたご相談は、実はとても多いです。
ICL(以下IPCLを含む)は優れた視力矯正手術ですが、すべての人が必ずできるわけではありません。
しかし「できない」と言われた理由の中は、レンズ選択や種類によっては解決できるケースや、別の治療選択肢で視力改善が可能なケースが含まれています。
このブログでは、
・ICLが「できない」と言われる主な理由
・再検査やクリニックによって適応が変わる理由
・ICL以外での安全な視力回復の選択肢
・あおぞらクリニック眼科形成外科での検査の流れ
などを眼科医療従事者の視点からわかりやすく解説していきます。
「本当に自分はICLに向いていないのか?」
「まだできる可能性はあるのか?」
その答えを、一緒に整理していきましょう。

📘 目 次
ICLが「できない」と言われる主な理由
ICLが適応外と判断される場合、いくつかの明確な理由があります。しかし、これらは「絶対にできない」ではなく、再検査や別クリニックで確認すると適応可能となるケースもあります。
① 前房深度(ACD)が浅い
ICLレンズは虹彩の後ろ、水晶体の前に挿入します。そのため、前房の深さが一定以上ないと安全に固定できません。一般的には2.8〜3.0mm以上必要ですが、測定機器によって誤差が生じることもあります。
② 角膜内皮細胞が少ない
角膜を透明に保つ細胞の数が少ないと、将来的な角膜障害のリスクが高まります。年齢や近視の強さによって数値は変動します。
③ 強すぎる近視・乱視
ICLにも度数の上限があり、非常に強度の度数だと対応できない場合があります。ただし、近年は対応範囲が拡大しており、以前「できない」と言われた方でも可能になっていることがあります。
④ 角膜形状の異常(円錐角膜など)
角膜が弱いタイプでは、レーシックだけでなくICLも慎重な判断が必要です。
⑤ スペースの問題や白内障初期
眼内のスペースの問題や、水晶体の初期混濁がある場合も適応外になることがあります。
これらはすべて、安全に手術を行うための判断基準です。
クリニックによって適応が変わる理由
実は「ICLできない」と言われた方が、別クリニックで「問題なくできます」と判断されるケースもあります。その理由は以下の通りです。
① クリニック毎の方針
施設によってICLに対する考え方は様々です。レンズのサイズを大きめに設定し、水晶体との接触回避を優先する。反対にレンズのサイズをなるべく小さく設定し、角膜後面への接触と浅前房化を避けることを優先するなど、執刀医の考えによって選ぶレンズや適応も異なります。
② ICLレンズの選択肢の幅
取り扱いレンズの種類やサイズ展開が限られているクリニックでは適応外になることがあります。
例えば、遠近両用のICLを取り扱っているクリニックでは年齢制限が50代までになっているのに対し、遠近両用を取り扱っていないクリニックでは近くの見え方を考慮し、老眼鏡との併用を承諾できるかで適応かどうかを決めたりもします。
③ リスク許容度の差
クリニックごとに安全基準の設定が異なるため、判断が揺れることがあります。
あおぞらクリニック眼科形成外科ではICL検査に特化した機器を揃え、ICL経験豊富な眼科専門医が適応を丁寧にチェックします。

ICL以外の視力回復の選択肢
ICLが難しい場合も、視力改善の方法はいくつか存在します。
① レーシック・PRK
角膜を削る方法で、ICLと条件が異なります。ICLが不可でもレーシックは可能なケースがあります。
② 老眼治療・多焦点眼内レンズ
40代以降では、視力改善の選択肢がさらに広がります。ただし多焦点眼内レンズに関しては白内障手術を伴うため、医師の診察及び手術適応があるのか、他の選択も踏まえ検討する必要があります。
③ 眼鏡・コンタクトの最適化
合わない処方のまま生活していると見え方の不満が強くなるため、適切な度の再調整も有効です。
あおぞらクリニック眼科形成外科の検査の特徴
当院ではICL適応を正確に判定するため、以下の専門的な検査を行っています。
・前房深度(ACD)測定
・角膜内皮細胞検査(スペキュラーマイクロスコープ)
・角膜形状解析(トポグラフィー)
・白内障の有無を含む総合検査
・レンズサイズ計算(ボールト予測を含む)
また、適応外だった場合も「なぜできないのか」「他にどの治療が可能か」を丁寧に説明し、患者様の将来の視力まで考えた治療提案を行っています。
ICL適応が不安な方へ(まとめ)
「ICLできない」と言われても、それが最終結論とは限りません。
取り扱いレンズの違いや医師の診断によっては変わることがあり、再検査によって適応となるケースも存在します。
重要なのは、“自分の目に本当に必要な治療は何か” を正確に知ること。
あおぞらクリニック眼科形成外科では、無理にICLをすすめるのではなく、患者様一人ひとりの将来の視力を考えた最適な選択肢をご提案いたします。

