「ステロイドを使っているけれど、眼圧は大丈夫だろうか」
「緑内障と診断されたことがあるが、ステロイドは使っても問題ないのか」
このような疑問や不安を抱えて、眼科を受診される方は少なくありません。
ステロイドは炎症やアレルギーを抑える非常に有用なお薬であり、眼科だけでなく皮膚科・耳鼻科・内科など幅広い診療科で日常的に使用されています。
一方で、ステロイドは眼圧を上昇させる可能性があり、緑内障の発症や進行に関与することがあるという点は、あまり知られていません。
この記事では、緑内障・眼圧・ステロイドの関係について、医学的な背景を踏まえながら詳しく解説します。

目次
① 緑内障とは?眼圧との関係
緑内障とは、視神経が慢性的に障害され、視野が徐々に欠けていく病気です。
日本における中途失明原因の上位を占めており、決して珍しい病気ではありません。
緑内障の怖い点は、一度失われた視野は元に戻らないという点にあります。
そのため、早期発見と進行を抑えるための継続的な管理が非常に重要になります。
緑内障のリスク因子としてよく知られているのが眼圧です。
眼圧が高い状態が続くと、視神経が圧迫され、ダメージを受けやすくなります。
ただし、日本人に多いのは「正常眼圧緑内障」と呼ばれるタイプで、
眼圧が正常範囲内であっても緑内障を発症するケースが多いことが特徴です。
そのため、眼圧だけで緑内障を否定することはできません。
② 眼圧とは何か|高いと何が問題?
眼圧とは、眼球の内部にかかる圧力のことで、主に房水と呼ばれる液体によって保たれています。
房水は眼の中で常に産生され、一定の経路を通って排出されることで、眼圧のバランスが維持されています。
この房水の排出が何らかの原因で障害されると、眼圧が上昇します。
眼圧が高い状態が続くと、視神経乳頭に慢性的な負担がかかり、視神経が徐々に障害されていきます。
問題なのは、眼圧が上がっても初期にはほとんど自覚症状がないという点です。
痛みや視力低下を感じないまま進行し、気づいた時には視野が大きく欠けていることもあります。
そのため、眼圧測定や視野検査などの定期的な眼科検査が非常に重要になります。
③ ステロイドとは?なぜ眼圧に影響するのか
ステロイドは、炎症やアレルギー反応を強力に抑える作用を持つ薬剤です。
眼科では結膜炎、角膜炎、ぶどう膜炎、術後炎症など、さまざまな場面で使用されます。
しかし、ステロイドには房水の排出に関わる組織の働きを低下させる作用があります。
その結果、房水が眼の外に流れにくくなり、眼圧が上昇することがあります。
特に、ステロイド使用による眼圧上昇が起こりやすい体質の方は
「ステロイドレスポンダー」と呼ばれ、緑内障を発症しやすい傾向があります。
ステロイドレスポンダーかどうかは、実際にステロイドを使用してみなければ分からないことも多く、
使用中の眼圧チェックが重要となります。

④ どんなステロイドが眼圧を上げやすい?上がりやすい種類とは
ステロイドは使用方法によって、眼圧への影響の出やすさが異なります。
ステロイド点眼薬は、直接眼に作用するため、眼圧上昇のリスクが最も高いとされています。
特に長期間使用する場合や、自己判断で使用を続けている場合には注意が必要です。
目の周囲に使用するステロイド軟膏も、皮膚から吸収されることで眼圧に影響を与えることがあります。
「目に入れていないから大丈夫」と思われがちですが、注意が必要です。
点鼻薬・吸入薬・内服薬などの全身投与ステロイドでも、
体質や使用量、使用期間によっては眼圧上昇が起こることがあります。
他科で処方されている薬についても、眼科医に必ず伝えましょう。
⑤ ステロイド使用中に注意すべき症状
ステロイド使用中に以下のような症状がある場合は、早めに眼科を受診してください。
・視界がかすむ
・視野が欠けたように感じる
・眼の奥の重さや痛み
・原因不明の頭痛
ただし、繰り返しになりますが、眼圧上昇や緑内障は無症状のまま進行することが多いため、
症状がなくても定期的な検査が重要です。
⑥ 緑内障がある人・疑いがある人はどうすべき?
緑内障がある方や、眼圧が高めと言われたことがある方でも、
ステロイドを必ずしも使用できないわけではありません。
重要なのは、眼科医の管理のもとで、安全に使用することです。
自己判断で中止したり、逆に長期間使い続けたりすることは避けましょう。
ステロイドが必要な治療である場合には、
眼圧を定期的に測定しながら使用することで、リスクを最小限に抑えることが可能です。
⑦ あおぞらクリニック眼科形成外科での対応
あおぞらクリニック眼科形成外科では、眼圧測定・視野検査などを通じて、
緑内障の早期発見と進行抑制に力を入れています。
ステロイド使用歴がある方については、
他科で処方されているお薬も含めて総合的に評価し、
患者さま一人ひとりに合った管理方針をご提案します。
⑧ まとめ
ステロイドは非常に有用な薬である一方、眼圧上昇や緑内障との関係には注意が必要です。
大切なのは、正しい知識を持ち、眼科で定期的に管理を受けることです。
少しでも不安がある方は、早めに眼科を受診し、適切な検査と説明を受けることをおすすめします。

