高齢になって「涙が止まらない」…その原因、実は“加齢”だけではありません
「ドライアイだと思って点眼を続けているのに治らない」
そんなご相談が、近年とても増えています。
実は、60代以降で急増する **“結膜弛緩(けつまくしかん)”** という病気が隠れているケースが多く、
患者さま本人は気づきにくいため “放置されがち” なのが特徴です。
この記事では、涙が止まらない原因を整理しながら、
あなたの症状タイプを“プロが一緒に切り分ける”ような構成で解説していきます。
さらに、あおぞらクリニック眼科形成外科で行っている診療の流れもご紹介します。
「具体的に何をしてもらえるの?」と不安な方も安心して読み進めてください。
目次
① 涙が止まらない原因は大きく3つ
① 涙が出すぎるタイプ(分泌過多)
アレルギー・炎症・ドライアイなどによる“刺激”で涙が出過ぎる状態。
② 涙の通り道が詰まるタイプ(涙道閉塞)
排水管(涙道)が狭くなることで涙が鼻へ流れず、溢れるタイプ。
③ 排水構造が崩れるタイプ(結膜弛緩)
白目の“膜のたるみ”が涙の流れを邪魔してしまう状態。
→ 本記事では特に③を詳しく解説します。
② 「ドライアイなのに涙が出る」のはなぜ?
という流れで **“反射性流涙”** が起こります。
つまり
乾く → 痛い → 涙が出る
でも根本原因は“乾くこと”
問題は…
● ドライアイ+結膜弛緩が同時に存在すると治りにくい
点眼しても改善しない場合、結膜弛緩の可能性が高くなります。
③ 高齢者に多い「結膜弛緩」とは?
【見た目の特徴】
・白目の下側に“よぶんな膜”がもたつく
・涙がいつも溜まっている
・風が当たると涙があふれる
正常:涙 → 排水口(涙点)へスムーズに流れる
結膜弛緩:[たるんだ結膜]が排水口の手前をふさいでしまう
→ 涙が行き場を失い → 外へこぼれる
【患者さんの“あるある”】
・外に出た瞬間に涙があふれる
・スマホの文字がにじむ
・常に目頭〜目尻に涙がたまっている
④ あなたは大丈夫?結膜弛緩セルフチェック
- 下まぶたの内側に余った膜が見える
- 目がゴロゴロしやすい
- 涙が目尻側に伝いやすい
- ドライアイ治療を続けても改善しない
- 年齢とともに悪化してきたと感じる
→ 1つでも当てはまれば結膜弛緩の可能性があります。
⑤ 結膜弛緩の治療方法
ドライアイを伴う場合は有効。ただし
結膜弛緩そのものは点眼では治らない。
● 結膜弛緩手術(結膜切除術)
・日帰りで可能
・余分な結膜を切除して整える
・吸収糸で縫合する
・術後は「涙が流れやすくなった」と実感しやすい
【合併症・ダウンタイム】
・充血、軽い痛み
・1〜2週間で改善
⑥ あおぞらクリニック眼科形成外科での診療の流れ
① 丁寧にヒアリング
・どんな時に涙が出るか
・どちら側に流れるか
・見た目の違和感
② 必要に応じて検査
・涙道の確認
・ドライアイ検査
・結膜のたるみの評価
③ 原因をひとつずつ切り分けて説明
無理に手術をすすめることはせず、
生活の負担度に合わせて最適な治療を提案します。
⑦ まとめ
・特に高齢者で多い結膜弛緩は見落とされやすい
・治療すれば改善できるケースが多い
「年齢のせい」と諦めなくて大丈夫です。
気になる方は、早めにご相談ください。

